新しい学びの場

 10代の若者の学習は環境で決まってしまう。教育関係の仕事に従事する中で、このことを痛感することが多くありました。とくに、地理的な環境(都市↔︎僻地)、家庭環境(塾予備校などに通える経済力、文化資本など)が学びに与える影響が大きいと思います。自分で道筋を決められる20代以降の大人と比べて、10代は生まれ育ちに左右されやすい状況なのです。勉強を「努力」するかどうかすら、置かれた環境によると感じることも多々あります。

 このような教育格差を痛感していた2014年ごろ、高校生たちがスマートフォンで遠く離れた都会のトレンドを調べている姿をみました。そう、スマートフォンの台頭で高校生でも気軽にインターネットが使えるようになっていたのです。

 これを勉強に使えば、田舎の高校生でも都市部の「良い情報」をリアルタイムでキャッチし、都会に並べるのではないか。なにより、インターネットは基本的に無料です。ほとんどの高校生はスマートフォンを所持していますので塾や予備校に通えない子も使えます。そんな発想から、どこでも/誰でもスマホで勉強できる組織「インターネット家庭教師集団ヘルベテ」がはじまりました。これまで全国各地、北は北海道から南は鹿児島まで、いろいろな地域の生徒たちの進学をサポート、実現してきました。

 一方、進学に向けた勉強も大事ですが、本来10代は社会への見聞を広げて自分の生き方を考える時期とも思われます。しかし、学校や塾・予備校などに熱心に通っている子ほど、同じような情報に触れる生活習慣に至ります。このような教育を終えて、社会と接した頃にようやく自分の「向いていること」や「やりたいこと」を考え始める人も多いです。結果として、大学進学する前にもっと世の中を知れたらと戸惑う若者も見てきました。

 当団体のメンバーは社会人が中心です。それぞれ多様な経験を持つ彼らが、学生時代の専門や職業での経験を活かして先生役を担っています。先生たちが普段どんな仕事をし、何を学び、考えているのか…。学習を介してそういった他者の価値観に触れることで社会への知見を広げつつ、学力も向上し望む進路に進んでいく。ヘルベテはそんな学びの場を創っています

 

 また、学校が社会への入り口という旧来の社会構造はいまだ根強くあります。すると学校に通わない人、学校が身に合わない人にとっては学校に行かないというだけで進学や就職に苦労する現実があります。ヘルベテでは「巷の社会人」と一緒に勉強する中で社会との接点を得て、進学のための学力をつけながら、人との関わりも得る。そんな役割を果たしていきたいと思っています。

 

喜捨システムについて

 ヘルベテでは授業料の代わりにモノを送る謝礼制度「喜捨システム」を採用しています。授業をお金で買うサービスと捉えず、先生が教えて生徒は贈り物をするという、物々交換での対等な関係構築を目的とした制度です。他者との関わり自体が学び、という教育への視点を授業料に取り入れています。詳しくは「喜捨システム」をご覧ください。

 

ICTの活用、地域格差の是正

都市部には良質な教育サービスが集中してはいますが、ICTの登場で、どこに住んでいてもインターネット環境さえあれば情報にアクセスできるようになりました。ICTを活用し、環境による教育格差を減らしていくこともミッションと考えています。

オンライン家庭教師ヘルベテ 茂木草介

 

─ Mission ─

 

Why なぜやるのか? 

 新しい学びの場を創るために

 

What そのために何を?

 受験生の進学をサポートする

 

How どんな方法で?

 ICT、社会人の力を活用して